【読書】『おばあちゃんのごめんねリスト』・『ブリット=マリーはここにいた』
ブログをはじめる時、「このブログは読書ブログにするぞ!」と思ってたんですが、これがはじめての読書記事です。
※ネタバレがあります。※
- 作者: フレドリックバックマン,Fredrick Backman,坂本あおい
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どちらも表紙のデザインがとっても素敵です。
海外小説、これまであまり読んできませんでした。
いや、すごく昔、小学生の頃読む本は海外ファンタジーが多かったかな。ハリポタ最終巻が出て以来は、『老人と海』くらいしか海外小説を読んでない気がします。
嫌いなわけじゃなくてほんとになんとなく読んでなかったんですが、久しぶりに読んだらめちゃくちゃ面白くてびっくりしました。海外小説だから面白いってわけじゃなく、その小説が面白いから面白いんですが……。でも、「海外小説面白い!!!」って気持ちにさせてくれる小説でした。
今回読んだ2冊は、スウェーデンの小説です。『ブリット=マリーはここにいた』は、『おばあちゃんのごめんねリスト』のスピンオフ作品。
しかしあろうことか私は『ブリット=マリー』(略します)から読んでしまいました。なんとなく手に取った本がスピンオフ作品とは知らなかったのです。『ごめんねリスト』(略します)を最近読んだため、そっちの話題が多めになります。
『ごめんねリスト』は、7歳の"変わってる"女の子エルサが主人公。そしてこの子のおばあちゃんもかなりの変わり者です。いたずら好き(結構度を超しています)で、でもエルサにとってはスーパーヒーローで。若い頃おばあちゃんは医者として世界中を飛び回り、真実スーパーヒーローでした。
物語のはじめの段階でおばあちゃんは亡くなってしまいます。破天荒な彼女には謝らなければならない相手がたくさんいて、その謝罪の手紙をエルサが届ける、というのを軸にストーリーが進んでいきます。おばあちゃん子だった私としては自分と重ね合わせる部分もありましたね……。
エルサ家族は集合住宅に住んでいて、そこに住む人々(と犬)が主な登場人物。かなりの人数がいるのですが、全員のキャラが立っています。
最初はふわふわとした人間関係しかわからないのですが、物語が進んでいくにつれて、「この人とこの人がつながっていたんだ」っていう事実がわかっていくんですね。この作者さん、"事実"の明かし方やタイミングがすごい上手いなあって思うんです。
私の特に好きなキャラがブリット=マリー。ケントという夫とともに暮らしていて、「規則は絶対!」を信条とする小言の多い女性です。彼女は『ごめんねリスト』では最初、悪役のような存在として描かれます。
しかし『ブリット=マリー』の方では、タイトルからも分かる通り主人公です。こちらは"変わった"ブリット=マリーが自分の生き方を見つける話。私はこっちから読んだため、ブリット=マリーの好感度はストップ高の状態。彼女の生い立ちやいろいろな事情も知ってしまっていました。
ブリット=マリーについて知らずに『ごめんねリスト』を読んでたら、最初はエルサの邪魔をする(ように見える)彼女にイライラしたと思うんです。それが変化していく過程を味わいたかった。あ、でも結構肝心な部分で忘れているところがあって、それがつながった時は「おおおおお」となりました。忘れていてよかったなと思いましたね。(ブリット=マリーの最初の夫の名前を忘れていた)
物語中の物語が、物語中の事実とつながっていく
"事実"の明かし方も上手いんですが、"空想"と"事実"のつなげ方の見事さにも驚かされました。
おばあちゃんは、エルサが眠るときやお説教をするときに空想の世界のお話を聞かせます。この"物語"なんですが、『ごめんねリスト』の全文章においてかなりウェイトを占めます。"現実"の話なのに、この"物語"があることでまるでファンタジーを読んでるような気持ちになります。お姫様や世界を救ったヒーロー、悪い魔女……。実はそのキャラクターや出来事が"現実"の登場人物とリンクしていることが、物語が進んでいくにつれて明かされていくんです。"物語"は"物語"として読んでいたので、全部に意味があったんだ……と思うと感慨深い気持ちになりました。最初から読み返したくもなります。
物語中に出てくる実際に存在する物語
物語物語ややこしくなってきました。エルサは読書好きで、私も大好きだった「ハリーポッターシリーズ」の大ファンです。他にもいくつか作品の名前が出てくるのですが、『はるかな国の兄弟』という本が結構印象的なシーンで出てきます。
- 作者: アストリッド・リンドグレーン,イロン・ヴィークランド,大塚勇三
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/06/18
- メディア: 単行本
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読んだことないんです……。スウェーデンの児童小説のようです。絶対読まなきゃと思いました。『ごめんねリスト』を読むとこのタイトルを聞いただけで思い出し泣きしてしまいます。
すべての登場人物が愛しくなる
エルサとウルスを描いてみました。表紙を参考に。エルサはもうちょっと生意気な感じにしたかったけど生意気さが絵で表せませんでした。
フレドリックバックマンさん、人物の描写に愛があるなあと思います。なんていうか"地の文"に、登場人物たちへの愛があるんですよね。良い意味でニュートラルじゃない(登場人物に寄り添った文章……?)っていうか。上手く表現できない……。それを上手いこと翻訳している翻訳者の方もすごい。だからこそ、読んでいるうちにその人たちのことを自然と好きになってしまうんです。
とにかく良い小説だったので、読んで以来ずっと余韻に浸っています。
友達に中国の小説も面白いと勧められました。海外小説いっぱい読んでいこうと思います!